【感想】機動戦士ガンダム00 1期 2期 劇場版【ネタバレ有】

この機会に機動戦士ガンダムを見てみようってことで視聴していくことにした。次に視聴するのは・・・放送から10年経過しても『トランザム』で有名な機動戦士ガンダム00だ!

 

機動戦士ガンダム00は、武力による戦争の根絶を目指す私設武装組織『ソレスタルビーイング』を主軸に据えた作品。劇場版で完結する。

 

1st Season(1-25話)

最初から良い感じに物語が進んでいくもんだから、作業を中断した挙句にOPとED飛ばして続きを求めてしまうくらい続きが気になった。変に止まったりしないから本当に好感しかない。

 

5話頃から計画の要であるヴェーダの推奨するプランを無視したアレルヤの人命救助、戦闘中にコックピットを開けて敵に姿を晒し敵パイロットを確認する刹那の暴挙、物語の進行と同時に明らかになっていくマイスター達の過去や内面。キャラクター達が魅力的で素晴らしい。

 

もちろん機体も素晴らしいぞ。ガンダムはかくあるべしを持たない私からしたら違和感もなく楽しめる機体ばかりだ。映像に力を入れる余裕があったのか、映像が常に上質な点もグッド。使いまわしで萎えることもないから何も考えないで雰囲気を味わいながら見てるだけでも楽しめるくらいに良い。

 

中盤からは2期に向けて矢継ぎ早に盛り上げてくる。

 

追いつめられたガンダムマイスター達、擬似太陽炉搭載型ガンダムとトリニティの出現、計画に介入した監視者アレハンドロ・コーナーに掌握されたヴェーダ、同盟軍に襲われるソレスタルビーイングアレハンドロ・コーナーの介入で動けなくなったティエリアを庇って怪我をしたロックオン・ストラトス、発動されるガンダム掃討作戦、計画から離れて変化していくマイスター達、託された想いとトランザム・システム。

 

ちゃんと群像劇してるし、印象的な台詞もあるし、最高に良い感じだ。刹那の「俺がガンダムだ」「俺はガンダムになれない」なんて感じでキャラクターを象徴する台詞を入れてくるのも好き。

 

ひとつ残念だった点を挙げるなら、トリニティの扱いはもう少し丁寧だと嬉しかったな。登場は派手なんだけど、その後にやることが小物臭いし、死に様まで小物だったから・・・。

 

民間人を気まぐれに攻撃した事実を考えれば「ざまあみろ」の一言ではあるし、実に使い捨てらしい死に様なんだけれども、せめて主人公達の糧になっていただきたかったな~と思っちゃうんだよな~。雑に騙された挙句に拳銃で撃たれて退場なんて酷すぎるぜ!ざまあみろ! 

 

1期で特に良かったのは、ロックオン(ニール)かな。兄貴役で熱い台詞や熱い場面もあって本当に好ましいキャラクターだった。乗ってる機体が長距離戦用のデュナメスってところも良いね。あと最期の場面は本当に良かった。ニール・ディランディって人物を感じさせる死に様だった。あの場面は敵のサーシェスもらしい台詞を言うし、ニールもニールらしい台詞を言うし、お互いに声優さんの演技良いし、本当にお気に入りの場面になった。

 

2nd Season(25話)

期待を高めに高めて終わった1期の5年後。世界は自分こそが世界を導く存在であると考える自称イノベイターのイノベイド『リボンズ・アルマーク』の操る独立治安維持部隊アロウズによって弾圧や虐殺が行われており、世界の歪みはおさまっていなかった──といった感じで始まった。

 

お、おお・・・?面白いけど何か引っかかるぞ・・・。

 

最初に気になったのは機体。刹那機は強力な肩パッドを自由自在に操るMSになってるし、ティエリア機は真の姿設定引き継いでてヨッシャーって感じだったんだけど、後ろに堂々と顔があるもんだから私も敵兵よろしく変な顔でリアクションするしかなかった。ロックオン機とアレルヤ機は大丈夫だったけど、なんか違う、違うんだよ・・・そうじゃねえんだ・・・!!

 

次に気になったのは組織。

 

その成り立ちゆえに致し方なしとはいえ、反連邦組織カタロンの安っぽさが残念だった。中東らしい組織なんだけど、出るたびに水をさされた印象しかなくて、何とも残念な存在に見えてしまった。組織のトップが魅力的に見えず統率がとれている印象もなく、ソレスタルビーイングとは向いてる方向が若干違うし、映像は出なかったけど「カタロンの反連邦テロに巻きこまれて死亡した」という言葉が出てくるあたりで、テロ攻撃で非武装の民間人に攻撃していそうなところもな~。こんな微妙なテロ組織にするなら出さなくていいのに。私の中ではクーデター組にすら劣る存在だった。

 

組織の中心人物に惹かれる要素が何もない、強い意志や思想を持った存在が保護してるマリナ・イスマイールしかいない、かといって彼女は武器を持つ組織にいると受け身になって積極的に動く存在じゃない、存在感が薄いマリナの付属品みたいになってる、カタロンにスポットを当てるのかマリナにスポットを当てるのかハッキリして欲しい、せめて1期からいる軍人を早めに入れて欲しかった、もう本当に私にとっては困った存在だったな・・・。

 

独立治安維持部隊アロウズについても、物語に大きな影響を与える存在なんだから、もっと大きな存在感を持って欲しかったな~と思う。ソレスタルビーイング側が弱ってたから、こっちも致し方なしなのかもしれないけど、ソレスタルビーイングに引っ張られて存在感を失い、話の都合で酷い道化になってしまった印象を持ってしまって残念だった。明確な敵として示されたのに、ヒロシの演技も含めてサーシェスが光り輝いてみえるくらい存在感がなかった。

 

1期の終盤から色々あって変わっていったティエリアと、1期の頃から主人公と言っても過言ではないくらい主人公をしていたアレルヤ、それから映像面は文句なしに良かったんだけどな~。メメントモリ攻略戦なんて最高だった。

 

だから嫌いじゃないんだ。明らかに普通よりは良い。でも好きまでは届かない。1期は良かっただけに残念。2期って難しいんだろうな・・・。続きだったら違ったのかな~。

 

いざ劇場版へ

独立治安維持部隊アロウズ解体。再編成された地球連邦平和維持軍。新政府になってから2年後の世界。突如として現れた地球外生命体。早すぎる来るべき対話。

 

こ、これは・・・SFの波動・・・!!

 

ただでさえSFを感じさせる00の世界観に追加された宇宙起源生物、序盤から徐々に強まっていくSF的な妖しい雰囲気。嗚呼ッッ最高だぜ・・・。しかも映画だからギュッと詰めこまれていて畳みかけるように情報が入ってくる。惹きこまれてあっと言う間に終わってしまった。00の完結に相応しい作品だったと思う。ラストで外宇宙航行艦と宇宙探査用MSを出して良い余韻を残してくれてた点も大きく評価したいね!こういう続きが気になる興奮はいいぞ!

 

もちろん映像も良い。やっぱり劇場版の映像は最高だぜ。

 

戦闘面だと、刹那に続いて純粋種のイノベイターへ変革したデカルト・シャーマンの戦闘、ハレルヤの大立ち回り、ソルグレイブス隊の戦闘、最後の刹那が現れてからの全てを大きく評価したい。特にソルグレイブス隊のちゃんと味方機の後ろにいる敵を倒しながら戦っているところが好きでな~。そこからグラハムも無茶な軌道で敵を倒すし興奮した。最後の戦闘の音楽かかってからは卑怯なくらい格好よかったな。あと私は無双中前後にあるイカズチ線を描くシーンに弱いらしい。格好よすぎて痺れちゃったぜ・・・。

 

最後の刹那が現れてからのシーンはもちろんとして、「好きなのはビームを屈折させた!?」「学習しているんだ!」のシーンは敵の強大さを感じるから最高に興奮した。刹那とティエリアはこれと対話を試みるんだな~って考えるとより興奮した。

 

最後のマリナ・イスマイールと刹那のシーンも良い。これまで空気気味だったマリナの株が一気に上がったし、00の最後を飾るに相応しいシーンだったと思う。あのシーンは良かった。対話のシーンで見られるエルス達の故郷のシーンも良かった。圧倒的なSF雄大!大好きだぜ愛してる!!

 

機体も良かった。2期は微妙に感じたけど劇場版のMSは最高だった。マイスター達の機体は実に"らしい機体"で似合ってて格好よかったし、平和維持軍の機体も良い。特に新型のブレイヴは好みだった・・・。

 

嗚呼・・・本当に気持ちのいい作品だった。

 

まとめ

1期と劇場版は文句なしに最高だった。2期はちょっと好みじゃなかったな~。主な理由は上記にござる。これで2期も好みだったら最高の作品だと手放しで褒めたかもしれない。2期を褒めてる人もいるし相性が悪くて残念。

 

だから1期と劇場版は強く勧められるんだけど、1期だけじゃ何も解決しないし、劇場版は1期と2期の視聴を前提に進む物語だし、結局は全てを観るしかない。興味があるなら1期も2期も劇場版も全てを見てくれ全てを。綺麗な映像だと更に楽しめると思う。